HOKKAIDO木村秋則自然栽培農学校生徒14名と共に十勝の自然栽培農場『折笠農場』さん(28ha)へ行ってまいりました。
http://www.kimura-akinori.jp/farmers_orikasa.shtml
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マメスケ |
そこで折笠健(ますらお)さんの自然栽培と向き合う現場を我校の生徒と共に見学させて頂いたのです。
自然栽培10 年目になる圃場では豆の仲間で根粒を根に宿して大気中の窒素を地中に補填する『カラスノエンドウ』を植えていた。
雑草なのにマメによく働いてくれることから『マメ助』と呼ばれているそうです。
『カラスノエンドウ』は化学肥料や有機肥料を施さなくても地中に栄養分を留めるので、それらを施した事(施肥)による影響として硝酸態窒素がおよぼす様々な悪影響を心配しなくて良いのです。
自然栽培開始の当初はジャガイモに多くみられる『そうか病』がみられたが、土が変わると共に虫も来なくなり病気も4年目にはほとんど見られなくなった。
その土が変わったメカニズムの仮説としては、土中には元々植物の根を強くする微生物がいるのだが肥料を与えることにより、その微生物のバランスが変わり働きが悪くなるというものである。
土の変化の科学的な根拠を求め、帯広畜産大学の研究者2名とともに圃場の土の研究も継続的に行われている。
そうすることによって自然栽培ジャガイモの『おいしい』の根拠を示し消費者の賛同と理解を得られる。そして
消費者の思う『おいしい』を紐解いていきたい。
自分の先祖が90年前に折笠家の敷地内に梨を植えた想いを自身に問いかけながら、そうして自らも跡継ぎに根拠(データ)を添えてバトンを渡していくのだとお話されました。
生産者の消費者への説明責任についてですが品種の説明力の大事さも述べておられました。
品種、品目の人気度で栽培の種類を決めるのではなく
安定して供給できる病気に強い品種、品目を生産者はみずから選定する事が非常に大事である。
それは消費者のみならず、生産物を買い支えてくれる
販売者への供給責任に応えることで大産地の大きな責務を果たす結果となる。
現在十勝ではJAS有機の生産者は20人未満という現状、そうして日本国内の有機生産者は全体の0.02パーセントという現状の中において大規模農業で有機を成功させていかないと有機は伸びないと断言されました。
我々、農学校の生徒に話してくれた事として
木村秋則校長のメソッドを忠実に学ぶという意識から一歩前進させて、自分の圃場に合う品種、品目を自ら選ぶ力を養うというワンステップ高い意識を持ち、
しっかり自然と向き合う意識を養う事と伝えてくださいました。
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折笠さんと木村明則校長 |